夜尿症(おねしょ)相談
日本夜尿症学会では、5歳以降で、1カ月に1回以上の夜尿が3か月以上つづく状態を夜尿症としています。
その頻度は5~6歳で約20%、小学校低学年で10%台、10歳を超えても5%程度はみられますから、けして珍しい病気ではありません。
夜尿症の自然消失率は年に15~17%とされていますが、、生活指導などの治療により、治癒率を2~3倍高めることが出来、治るまでの期間も短縮出来ます。
日本夜尿症学会会員として、勤務した病院から25年以上夜尿症の治療に携わって来ましたので、学会ガイドラインに沿った治療を行い、夜尿の子どもたちの一日も早い「おねしょの卒業」を願っています。
夜尿症について
幼少期では生理的な体の発達が未熟なため、夜寝ているときにトイレに起きられないまま排尿してしまいますが、一般的には6~7歳になるまでには体の発達が追いつき、おねしょが少なく・または無くなってきます。
その上で、それ以降の年齢になっても続くことがあれば「夜尿症」ということになります。
夜尿症の原因は様々ありますが、代表的なものとしては以下のようなものがあります。
- 夜間に作られる尿が多い
- 膀胱の未発達
- 眠りが深い
- 心理的要因
夜尿症は、「また失敗した」というプレッシャーを与えるとますます悪循環に陥りますので、お子様が不安を抱えないよう周囲が環境を作ることが大切です。
夜尿症の治療
夜尿症は、適切な治療を行えば、器質的疾患がない場合ほとんど治ります。
先ず、夜尿の重症度を判定し、目安となる治療期間をお話します。その上で、日本夜尿症学会のガイドラインにそって治療を考えて行きます。
塩分や水分(炭酸飲料、スポーツドリンク、牛乳)の摂り過ぎを改めるだけで改善することもあります。
基本的には、行動療法(排尿訓練や水分制限など)をきちんと行い、その上でガイドラインに沿った薬物療法(内服薬や点鼻薬、あるいはその併用)やアラーム療法を行って行きます。本人の夜尿を治すというモチベーションも大切ですので、年齢に応じた対応を考えていきます。